重田理事の生き活きブログ

市民基金理事の任を頂きましたNPO法人WE21ジャパン副理事長の重田裕子です。

公益財団法人かながわ生き活き市民基金は、市民社会を強く豊かにするために、多くの市民が自発的に資金を提供し、その資金が基金となって決して大きくはないが公益的事業の推進に寄与する高い志の人々とつながり始めました。

今、現在、の社会は、強くない人や目に見えて成果を出しにくい人にとって生きやすい社会になっていません。この基金は、誰でも心が弱い時や笑顔になれないときがある、でも基金があれば、一緒に前に歩いて行ける・・・きめの細かさ・やさしさを伝えられる働きがあります。もっと多くの人々から意志ある資金の提供をお待ちしています。

 さて、私が所属するNPO法人WE21ジャパンとWE21ジャパングループは「意志ある資金の提供」はまだまだ大きくなっておりませんが、「意志ある品のご提供」が年々増加し、その寄付品を文字通りの原資として、豊かな地球市民の社会をつくるために活用しています。地球市民の社会は日本を離れたアジアやアフリカではきっと天文学的な数値で「健康で豊かに生きるには困難」な条件があふれています。お産や乳幼児の発育、初等教育、に始まり女子であればなおのこと不利な循環が続きます。

 1945年に戦争に負けるまで、日本はアジアの広い地域で私たちがいまだに知りえない数々の惨事を引き起こしました。この場で表現する言葉に迷うので言及できませんが、WE21ジャパンの創設理由の一つと大きく関わっています。「意志ある品のご提供」は現在55のリユース&チャリティのWEショップで時期に合った品ぞろえとして販売し、次の方にお渡しできる仕組みです。年間平均3億5千万円の販売額になり、そこからアジアで不利な状況で生きる多くの人々や、アフガンやパレスティナの戦火の下で生きる人々への支援がWE21ジャパングループの各地域で進められています。民際支援と呼んできました。3年9カ月を過ぎた東日本大震災と原発事故の被災の方々への支援・応援がやはりWEジャパングループメンバーの強い意志で続いています。WEショップが持つ使命は、開設当初の予想をはるかに上回り、たくさんのドラマとして表に出てきます。

 原発爆発事故の直後の「計画停電」はショップに「買わないけどここに居たい」「自宅で一人でいると寒い」「誰かと一緒だと感じたい」方が多くおいで下さり、また全く初めての方が早々に設置した「緊急支援募金箱」を表に書いたところ、「あんたたちなら信用できるから」とショップに入ってこられて、募金箱に入れて出て行かれました。スタッフもボランティアも声も出ず、頭を深く垂れましたが、だれかはどこかで見ていてくださる、評価は後からついてきたことなど、大震災以外でも多くのつながりや心の触れ合いを実感する場面があります。

 グループの中でそれぞれ「11日」にこだわる活動を続けていますが、「これを買うと福島の人を応援できるのですか?」の問いは数多く受けます。思いはあってもそれを届ける場を持てない方がいかに多いか、放射能を封じ込めたなどと言う宰相がいますが、真実を求める人が表現先に出会えないで苦しんでいる想像力を持てないことを怒ります。どれもまちの中に気楽にボランティアで参加できる、ご寄付やご来店で入ってこられる拠点を持つ強みです。目指すゴールは遠いけれど、歩む途中で見る景色や出会う人々に「共に生きる」喜びと悔しさを受け取り・伝えて、WE21ジャパンとWEショップがあるので良かった、と言われることをさらに積み重ねていきます。16年を超す活動は民際支援から民際協力に移り、政策提言活動の深化に進んでいます。どれも市民の力を大きくすること、認め合うことです。

 市民の意志が活き、市民の力で豊かな市民社会を築くのが、生き活き市民基金がめざす「おおぜいの力を公益にする」ことだと私は考えています。どんどん賛同の方が増えて基金が大きくなっていくことに私も寄与する方法を探します。この基金とWE21ジャパンが目指し、求める社会はだれもが大切にされる社会です。だれも、は髪の色や肌の色、が違っても・・・と表現された時代から、もっと違う表現の社会に進みました。人が生きる価値は誰が決めるのか、にもつながる社会だと考えます。

かながわ生き活き市民基金を強くするのは、まだこの基金に出会えていない誰かです。探さなければなりません。