鳴海理事長の生き活きブログ

地域市民活動の活性化こそ
明けましておめでとうございます。

かながわ生き活き市民基金理事長の鳴海です。まず自己紹介をします。

東京の都市問題研究機関に勤めた後、1963年に初当選したばかりの飛鳥田横浜市長に誘われて横浜市にはいりました。飛鳥田市政が終わって1980年に関東学院大学の教授になり、2002年に名誉教授となっての現在です。大学では地方財政や地方自治論の講義のなかで、学生には地方自治と市民自治の大切さを話してきました。また、生活クラブ生協の設立にも参加してきました。
そうしたことから、市民基金の設立への協力を依頼され、その趣旨に共感するものがあって理事を引き受けたのです。

 アメリカのチャールズ・ライクという政治学者が、「人々は自己と自己的(セルフとセルフッシュ)を区別してきちんとわかるようになることが民主主義の出発点だ」と述べています。自己の利益を求めるだけではなく、困っている人がいるなら手をさしのべ、一人では支えきれない地域の活動があれば皆で協力して解決していこうという姿勢と行動が大切です。

手作りの「市民社会」づくりを

 生き活きとした市民社会はお上から与えられるものではなく、自己の意志と行動と参加によって築いていくべきものでないでしょうか。「生き活き市民基金」はそうした志をもつ大勢の市民の寄付や協力による資金をもって、地域のさまざまな社会活動を支援していくために設立された市民の組織です。
 私たちは今年も多くの市民にこうした仕組みに参加と協力を呼びかけて、手作りの「市民社会」づくりを目指していきます。

 地方自治はなによりも「市民による自治」を基本とするのは当然ですが、それに留まるものではありません。中央集権的な国に対し市民の意見を代表して国との抗争が期待される自治の権利が保障されています。ここ数年の国政の進め方に対して自治体が本来の「市民の政府」としての役割を果たしていくことが望まれます。

 また、政府はいま「地方創生」を掲げて地方を支援する政策を進めていますが、私には地方の自立より、ますます地方の中央依存度を深めることになるように思われます。地方の活性化のためには、国は補助金だけでなく自主的な市民活動の活性化策こそが大切です。

全国の地域の間で市民活動を相互に支えあう輪がさらに広がることを期待しています。