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category - 報告

新型コロナ対応緊急応援助成・第1次助成団体訪問取材③(子ども食堂宅急便、こども広場ウェルカム)

子ども食堂宅急便(二宮町)

市民団体・教育委員会・事業者の3者のコラボで行う、こどものいる家庭への食支援

~子ども食堂便 初日の取材から~
 5月20日、にのみやこども食堂便のスタートの日だ。この日届けるお弁当は、69食・29家庭。10時半にお弁当の製造を請け負った「巧味屋(うまみや)」からお弁当が届いた。早速スタッフ4人で、手際よく配送ルート毎に仕分けする。そうこうする内に、配達ボランティアも車で集まってくる。お弁当を段ボールに入れ、車に積み込む。配達スタートだ。


 「子ども食堂宅急便」は複数の市民団体が立ち上げた緊急プロジェクトである。新型コロナで子ども食堂をやむなく中止している今、何か出来ないかと考えた。呼びかけたのは、1年前からみんなの食堂を始めた地域福祉を考える会代表の片木康子さんと子ども農園活動を6年前から主宰している一石洋子さんの二人だ。休校2か月目となった4月初め、「子どもたちにとってはやはり給食が大事」とお弁当を届けることを考えた。二宮町の教育委員会に相談すると、新型コロナの感染への不安から先生の家庭訪問を断るケースも出てきて訪問自体が中止となった。教育委員会も何か出来ないかと考えていたそうだ。そこで協働(コラボ)の話が浮上してきた。教育委員会が小中学校の保護者家庭1,800軒に送付しているレターパックに「にのみやこども食堂便」のチラシを同封してもらえることになった。申し込み受付・お弁当製造手配・配達は「子ども食堂宅急便」が担うこととした。連携のしくみが決まってからは全ての活動をスピードアップ。フードバンクかながわとの提携、町の補助金獲得(町民活動推進補助金)、市民基金の新型コロナ対応緊急応援助成への応募、お弁当製造事業者「巧味屋」との協議・・・。そして何より片木さん・一石さんたちがこれまで培ってきたネットワークの存在が大きい。毎日7~8人の配達ボランティアがお昼前の1時間、自分の受け持ちエリアの各家庭にお弁当を届け、一声かける。


 教育行政(教育委員会)・市民団体がここまで連携するケースはあまり聞かない。行政・市民・事業者、3者の協働が、新型コロナで孤立している家庭と地域を繋げ、課題解決の一助となることを期待したい。この活動は5月いっぱい、土日を除き毎日続けられる。


~走り抜けた8日間 30家庭・421食のお弁当宅配~
 6月2日子ども食堂宅急便の片木さんに電話取材を行った。 8日間の実績は30家庭・421食。1日平均62食だ。配達にはボランティア12人が関わった。延べ参加者は65人、1日平均6~7人が関わったことになる。

 「配達担当の皆さんは、お弁当を受け取るときの子どもたちの笑顔や『美味しかったよ!』の声に励まされたようで、コロナ情報があふれ陰鬱な雰囲気の中、この活動をやって良かったと思った瞬間でした」また「お弁当宅配は功味屋さんの協力あってこそ続けることができた活動です。毎日子どもが飽きないようメニューに変化をつけてくれた功味屋さんに感謝しています」と片木さんは2週間の活動を振り返った。

 「怒涛のような二週間」が終わってホッとする間もなく、6月もお弁当宅配を続けることにした。小学校の給食が本格的に始まるのが6月29日となるからだ。あと4週間は気が抜けない状況が続くが、同時に、今回の活動を今後にどう繋げていくか次のステップを話し合う時間を持ちたいと片木さんは語った。


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取材・文:大石高久(市民基金)



こども広場ウェルカム(相模原市中央区)

こども広場ウェルカムは、2018年に子どもの居場所づくりを目的に神奈川県相模原市を拠点に活動をスタートした団体である。活動は、「子どもの居場所を守ること」「子どもたちの未来を拓いていくこと」「子どもの尊厳を守ること」の3つの信念に基づき、明星大学の学生ボランティア団体「JONA’s(ジョナズ)」と連携して行っている。今回は、学生代表の豊田大登さんにお話を伺った。


こども広場ウェルカムは、相模原市中央区の千代田4丁目自治会館を拠点にして、水曜日と土曜日に居場所活動を中心に、学習支援、遊びやイベントの開催などを行っている。学習支援は、事前に保護者の方より事前にリクエストを受けて、学校の宿題、自習課題、その他個々の状況に合わせた個別の対応を行っている。


学習支援を行うボランティアは、JONA’sのメンバーを中心に、現教職員、元教職員や地域の人たちで構成されている。現在の登録者は16人で大半は、JONA’sのメンバーが占めている。JONA’sに属するメンバーは、明星大学の教育学部の学生が主体であり、学習支援活動を通して子どもたちに勉強を教える機会を持つことは、将来、教職員を目指す学生にとっても大きなメリットにもなるということである。ボランティアを行う大学生にとっても、このようなメリットがあるということが活動を継続するうえでは、とても重要なことであると語っている。


 新型コロナウィルスの影響により、現在の活動は、オンライン活動に切り替えて行っている。学習支援活動を中心に、オンラインミーティング、工作教室などのイベントの実施など多彩なメニューを取り揃えている。


今回の緊急コロナ対応助成では、学習に使うホワイトボードの購入や工作教室などのイベント開催費用であてる。ホワイトボードは、学習の補助の道具だけではなく、オンラインで尻取りなどの遊びにも使用する、また、これらの活動の様子は、地元のタウンニュースでも紹介されている。



連携する、JONA’sは明星大学でのボランティア団体として登録されており、現在のメンバーが卒業していっても、団体としての活動は継続できるとのこと。そして、将来は、JONA’sの活動を地域の各所に広げて居場所づくりを行っていきたいとのことである。 これからの活動を見守りつつ、大いに期待したい団体である。

取材:土屋誠司(かながわ生き活き市民基金)