地域の学び場支援助成「子どもの貧困に立ち向かう市民活動応援助成(第3期)」助成団体が決定しました。

この助成は、市民が連帯し問題解決をめざす活動~子ども食堂・学習支援活動・フードバンク活動など~を応援することを目的に募金(子どもの貧困に立ち向かう市民活動応援基金)を原資に立ち上げた助成プログラムです。「子どもの貧困に立ち向かう市民活動応援助成」(第3期)では、昨年度に引き続き格差・貧困により子どもたちの学びの場や機会が制限されることのないように、無料塾、フリースクール、居場所などの学習支援活動を行う団体を対象に助成を行うことを決定しました。

本助成は2024年10月~2025年3月の6カ月を事業対象期間としています。6月に募集を行い、当財団選考委員会にて審査され、16団体への助成を決定しました。

選考講評

選考委員長  手塚 明美


かながわ生き活き市民基金では、格差・貧困・孤立等により子どもたちの学びの場や機会が制限されることのないように、無料塾、フリースクールなどの学習支援活動を行う団体を対象に「地域の学び場支援助成」という仕組みを創り、今回3回目の助成となりました。申請は16件、1,514,880円でした。申請された活動は、それぞれの活動エリアや支援対象に向け、課題の抽出が的確にされており、効果の見込める活動として、評価の甲乙がつけがたい状況でした。しかしながら、原資とのバランスもあり、全額助成とはならず、15団体の皆様は一部助成となりました。本助成は、当基金の独自プログラムで、当プログラムへの直接の寄付で成立しています。今まで応援していただいた皆様、また新たにご興味を持っていただいた皆様のご支援を引き続きお待ちいたします。

(一社)ソーシャルコーディネートかながわ 理事長
 (公財)かながわ生き活き市民基金理事

 

子どもの貧困に立ち向かう市民活動応援助成(第3期)助成団体一覧

団体名 活動地域 助成額
特定非営利活動法人 バンブーまなび塾 横浜市港北区 80,000
たすけあい 小田原市 60,000
長後寺子屋ぽかぽか 藤沢市 80,000
相模原みのり塾 相模原市緑区 35,000
たすき塾 横須賀市 80,000
ひばり野のなかま達 平塚市 80,000
特定非営利活動法人 デジタルコンテンツ研究会 相模原市中央区 80,000
無料学習支援 学び場「ここから」 相模原市南区 80,000
TIEトマトマの会 横浜市神奈川区 70,000
特定非営利活動法人 さがみはら子どもの居場所サミット 相模原市南区 100,000
アクティヴ・ママ 座間市 65,000
NPO法人 街の家族 横浜市青葉区 80,000
特定非営利活動法人 スマイルパートナーズ 横須賀市 80,000
特定非営利活動法人 メダカのお弁当 相模原市中央区 80,000
特定非営利活動法人 太陽の村 相模原市中央区 80,000
特定非営利活動法人 育ち合い広場・てとてとて 藤沢市 70,000
合計   1,200,000

 

子どもの貧困に立ち向かう市民活動応援基金 ~1口1万円から寄付を受け付けています!~

<日本における子どもの貧困の特徴>

 かつては総中流社会と云われた日本社会ですが、この20年余りの間に、格差・貧困が加速度的に広がっています。子どもを取り巻く状況が悪化し、「貧困の連鎖」が起こっています。

 2023年7月に厚生労働省が公表した「国民生活基礎調査」では、2021年度の子どもの相対的貧困率(所得水準などに照らして貧困の状態にある18歳未満の割合)は、11.5%となり、3年前の14%に比べて2.5ポイント改善されまたが、依然8.7人に1人が貧困状態にあります。一方、ひとり親世帯の貧困率は、前回48.3%から3.8ポイント改善したものの、依然として半数近くが貧困状態にある高水準となっています。

 日本における子どもの貧困の特徴は、ひとり親家庭の半数が貧困状態にあることが挙げられます。ひとり親家庭は圧倒的に母子家庭が多いため、子育てをしながらでは正規雇用に就きにくく、安定した収入を得られないことが影響しています。内閣府が公表した「令和3年子供の生活状況調査」によると、母親の学歴別貧困家庭の割合では、中卒が40.6%と最も高く、大卒の4.6%の約9倍の高さとなっています。学歴が低くても高収入の人もいますが、確率的には、低学歴の人の低収入の割合が圧倒的に高く、親の学歴が貧困を生み、それが子供にも連鎖しているといえます。